ITIL 変更管理の“標準的な変更”と“通常の変更”の違い

最近、実務でITILにドップリ漬かっているのですが、改めてアレ?っと思ったことがあるので備忘録として書いていこうと思います。
 
今回は変更管理の“変更要求の種類”としてあげられている“標準的な変更”と“通常の変更”の違いについてです。
このふたつ、ITIL サービストランジション P.46あたりから説明があるのですが、何度読んでもわかりにくい。
“標準的な”と“通常の”というのがとても近い意味を持っているように思えてしまい、混乱を招くようです。
 
っで、何度も読み込んで原書調べてわかりました。混乱の元は“変更要求の種類”の並び順と翻訳です。
ITIL サービストランジションでは、P48 4.2.4.5 標準的な変更、P50 4.2.6.1 通常の変更、P.60 4.2.6.9 緊急の変更と説明がされています。この並びだと無意識に“標準的な変更”と“通常の変更”の違いに関心がいってしまうようです。ですが原書を見て、はは〜んと理解できました。
 
通常の変更がNormal Change、緊急の変更がEmergency Changeで、どちらかというとこのふたつの方が対になっているものです。
・Normal Change…通常の変更フローで対応する
・Emergency Change…緊急の変更フローで対応する
単に変更要求が急いでいるか、急いでいないかの違いです。
 
そして残りは、標準的な変更。これはITILでは“標準的な変更(事前許可済み)”とあり原書では、Standard Change(pre-authorized)とあります。さらにちょっと読むと“定着した手順を持つ”変更であることがわかります。つまり先の通常の変更と緊急の変更は、変更管理のフローの違いであり、標準的な変更はさらに“どうやって変更するかの手順”までが標準化されている変更要求です。
ですのでP.48に延々と説明されているような
・たとえば新規ユーザーの追加
・変更に対して権限委譲されている
・リスクが低い
といったことが言えるのです。でも、もし新規ユーザーの追加手順が標準化できないようなシステムであれば、標準的な変更では無いということも理解が必要です。
新規ユーザーの追加=標準的な変更といった覚え方は誤りです。
 
お〜、変更要求の説明だけで長文になってしまった。。。