ココが変だよ日経ITproの年金システムの記事

こんな記事がでた。日経コンピュータの抜粋らしい。
年金システム開発が1年以上停滞 受注企業がギブアップ、違約金を払う
この記事はいろいろなところがおかしい。
 
1.まず、厚生労働省にインタビューして、ギブアップした受注企業にインタビューしていないところ。インタビューして拒否と記載があればわかるけど。
 
2.厚生労働省が「発注側が求めていた業務と、受注側の認識との間で食い違いがあった」と表現しただけで、“○○社が業務の難易度について過小評価していた可能性があるわけだ。”と記者は妄想。
 
3.記事終盤“ITコスト削減のために分割発注の手法を取り入れ、安値で入札したITベンダーに発注した結果、ITベンダーの経験不足が露呈し、プロジェクトの成功が遠のく――。”と書いているが、ITベンダーの経験不足は、この記者の妄想部分。妄想から妄想しているよーです。
 
4.そして“この構図は、1月に中止を決めた特許庁のシステム刷新と同じだ。政府はシステム調達の仕組みを抜本的に見直す必要に迫られている。”と記事を締めくくっているが、特許庁のは分割発注のその分割ひとつが5年で99億2500万円、さらにITコンサル系企業に30億も投入しているのに対して、年金のは1年もなくて4億弱と比較するには、特許庁のほうがメガトン級におかしい。
 
5.さらにこの年金システムの発注のおかしさにも記者は気づくべきでは。“厚生労働省は「年金記録問題」が表面化した後、既に着手していた基本設計の一部をやり直す「補完工程」を3社に分割発注した。”という案件で、ギブアップした企業の受注額は3億8640万円。1年に満たない案件で“基本設計の一部をやり直す”だけでこの額。何で基本設計の一部をやり直すのに約4億?あるいは記者の妄想どおりとして、完遂できる値が高いところだといくら?この案件が「やり直す」レベルの話ではない、きな臭いことに気づくでしょう。
 
6.っで、次期年金システムで検索すると、なんと2010年6月に「厚労省の年金システム刷新が袋小路に」という記事が日経新聞からでているじゃない。さらに今回の入札が決まった後、2010年10月に日経コンピュータは“次期システムは基本設計の「分割発注」がうまくいかず、事実上中断していた。”と書いているではないですか。先ほどの記述では“「年金記録問題」が表面化”が遅延の理由を連想させ「補完工程」をするような表現になっているけど、そもそもうまくいっていない案件であることをこの記者は何故書かないのかな。そこを取材、追求してほしいよ。厚労省は年金使ってこの先も「補完補完工程」「補完補完補完工程」やるつもりかみたいな。。
 
と、いろいろ変なところを強調し、日経コンピュータが過去に報道したこの案件のきな臭いところは触れない不思議な記事なのでした。本屋で立ち読みしてみよう。